ヴァイオリン練習曲の種類と道のり その2
少し前に、私が学んできた
ヴァイオリンのための練習曲の数々をリストアップした
以下の記事を書きましたが、
もうひとつ加えてもいいかしら、と感じるものを思い出したので
ここに書いておこうと思います。
Ruggiero Ricci (1918-2012) Left - Hand Violin Technique
文字通り、左手のテクニックの強化のためのもの。
それも、building advanced left-hand technique (高度な左手のテクニックの構築)
のためのものなので、あまり早い段階では、この本(概念)に触れる必要はないかと考えます。
私はRicci先生のマスタークラスを2度ほど受け、もちろんその際に、他の生徒たちへのアプローチも拝見していますが、先生の左手のテクニックの一番の特長は、pivoting にあると思います。
親指はサードポジションにおいたまま、そこを中心に、ファースト、セカンド、そして、フォース(第四)以上の高いポジションも網羅してしまう方法です。
先生ご自身の演奏を拝聴、拝見すると、とくに指板のうえのほう(高いポジション)に関して、そのテクニックを駆使してらしたように覚えています。
私自身はそのようなテクニックをあまり使いませんが(使うような曲を、今となってはほとんど弾かなくなりました(笑))、当時、この本から、左手、左指の強化のために、左手のピチカートを使用したり、開放弦を弾きながら (drone) 音階などを練習するテクニックは、この本に出会った当時、よくしていたものです。Drone使用はとても効果があると思います。
先生のパガニーニのカプリスはとても有名ですし(オリジナル版を初めて録音した)、70年にも渡り、演奏活動を続けられたことは、大きな印象を私のなかに残しています。
この本にはもうひとつ、思い出があります。
先生の指導を受けた際に
「先生のこちらの本を使っているんです。よかったらサインをいただけませんか?」
とお話しすると、こころよく引き受けてくださり、私の名前まで書き入れてくださいました。下の画像ではその部分はカットしてしまっていますが。(笑)