Dear violin Students 私の大切な生徒たちへ

ヴァイオリンを学ぶ方々と分かち合いたいたくさんのこと

レッスンではうまく弾けないんです…

「レッスンにくると、家で練習しているときほどうまく弾けないんです…」

(大人のはじめてさん)

 

「まず、気持ちをお話しくださって、ありがとうございます。

これは、あなただけではなく、他の生徒たちもときに口にしていたことです。

そして、私自身もそう感じて、ときにイライラしてしまっていた時期もありました。

まず、多くの人がそう感じるのだということ、そして、私の生徒たちの口からも よく聞くコメントのひとつであるということを知ってくださいね。

 

自宅では、自分の好きな時間に、自分の好きな格好で、与えられた時間だけ好きなだけ練習をし、練習の終わりの頃になると、成果が感じられ、満足感も得られるのかもしれませんね。

けれども、私たちは、こうして、外に出かけて、自分の体調が良いときでも、悪いときでも、演奏をしたいと思うときででも、そうでないときでも、弾かなければならないときに、自分のレベルをある程度保って演奏できなければなりません。

だからこそ、こうしてレッスンに来て、演奏をするんです。

ヴァイオリンを持って、外に出て、移動をして、レッスンに来て演奏をするということは、もうすでに本番のための準備となっているんです。

ある意味、その作業をしていなかったら、本番を迎えることは難しいかもしれません。

お仕事が終わってからレッスンに来る、お子さんが体調を崩し、看病で眠れなかった翌日にレッスンに来る、ご自身が体調を崩してしまって、練習ができなかった と不安に思いながらレッスンに来る、大人の方々はみなさんいろいろです。

そのようなことを重ねて、レッスンを続けていくうちに、ヴァイオリンも少しずつ上手になりますし、音楽性も磨かれて、そのうえに、人前で演奏する、ということも学んでいきます。

残念ながら、近道はありません。

私も、本当に何度も何度も自分で自分にイライラしたり、怒りを感じたり、落ち込んだり、恥ずかしい思いをしたり… 練習をしてもしても、上手になっていないような気がしていた時期もありました。心身の健康を損ねたこともありました。

でも、だからこそ、みなさんと分かち合えることが多いのだと思っていますし、私の生徒には、私よりもずっと効率的に安全に歩んでもらいたいので、私の知っていることは、すべてお教えしますし、お伝えするようにしています。そして、できれば、その分、私を超えて欲しいとも思っています。

私自身も今でも、少しですが、学びを続けていますので、そのような研究も加えて、与えられることをより増やしていけることを望んでいます。

例えば、1年後のあなたは、もう今日のようには弾けないはずです。なぜなら、1年という月日をかけて、練習をし、レッスンを受け、上手になってしまうのですからです。今日という日はもう帰ってこないのです。

ですから、今ご自身がいる場所をしっかり味わい、かみしめ、楽しみながら、そして苦しみながら(笑)、前へ進みましょう。

少しずつ、でも絶対に、手ごたえを感じられる日はやってきます。

一緒にがんばりましょう!