Dear violin Students 私の大切な生徒たちへ

ヴァイオリンを学ぶ方々と分かち合いたいたくさんのこと

カイザー31番 / Kayser 36 studies no.31 Allegro molto agitato (Svecenski/G.Shirmer)

「先生、僕にとっては15小節目が難しいです。。。」

「そこが難しいってわかったということは、きちんと勉強してきた証拠!

実は、そこが難しいと感じるのは あなただけではないのよ。

そして、先ほどの演奏をもとに、

1.15小節目の練習方法

2.41-42小節目の注意点

3.曲の性格

についてお話しするわね。

 

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1.  15小節目 練習方法

 

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kayser no.31 m.15

1.まず、ひとつひとつの音をゆっくりみてみましょう。

2.音程をきちんと把握する。

4指を下げてGをとるので、その音と、G開放弦を一緒に弾いて、音程が正しくとれているかきちんと確かめてみましょう。

*同じことが3指でとるDの音にもいえるので、その音もDの開放弦で音程を確認して、正しくとれるようにしましょう。

3.指の置きかたをきちんと理解する。

今、少し弾いてみてわかったかもしれないけれど、2,3,4指が全部くっついているかのように指をおくことになるわね。その感覚をしっかり理解しましょうね。

4.音程を和音の一部として理解する。

そうしたら、重音として弾いてみましょう。

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kayser no.31 m. 15 practice as double stops

 

左手が動くのは、AからBにいくときなので、最初のうちは、あわてずに、少し時間をとっても、きちんと左手を移動してから、弓を動かすようにしましょう。手の移動ができていないうちに弓を動かさないように、きちんとコントロールを。

 

よりしっかりと手と耳を鍛えるために、

Aの最初の重音とBの最初の重音を往復したり

Aの3つめの重音とBの3つめの重音のふたつを往復する 

という練習を加えることもできます。

また、Aのすべての音をコードとして弾き、Bのすべての音をコードとして弾く を繰り返すこともできます。

上記2つの練習をすると、手、指も鍛えられますね。

 

5.音程と、左手の感覚がつかめたら、楽譜通りにまずはゆっくりと弾いてみましょう。ひとつひとつの音がきちんと聞こえるように、そして、ひとつひとつの音の長さも同じに保たないといけません。

6.速く弾く場合には、弓を少なく使いますが、その際には、弓のコンタクト(しっかりと弓の毛が弦を捕まえている状態)を失わないようにしなければなりません。

7.最終的には、クレッシェンドもありますから、その際には、弓と弦との接触点(サウンディングポイント)をどちらかというと指板のほうから、駒のほうへ少しずつ移動することもできますね。

 

2.  41-42小節 注意点

以下の部分はきちんと指示通り第5ポジションにとどまったまま弾きましょう。

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kayser no.31 mm.41-42

どこでポジションを変えるのかわかりますか?

そう。42小節目(上の譜例では2小節目)の3拍目です。

41小節目の2拍目でファーストポジションに下りてしまうと、4拍目で少し困ってしまうでしょう? さっきみたいに。(笑)

 

3.曲の性格

そして、忘れてはならないのが、この曲の性格(どのような感じの曲なのか)を考えること。

Allegro molto agitato とありますね。

Allegro=快活な ->速く

molto = とても

agitato = agitated, どこか興奮した感じで、急き込む感じで

このようなキーワードをこの曲にのせるとしたら、あなたはどんなテンポを選んで、どんな風に弾きますか? ぜひ考えてみてね。」

 

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